先日は、クレイジーケンバンドのライブツアー(初日)へ行ってきました。今年のアルバム&ツアー名は「華麗」。エイジングの「加齢」とも意味を重ねているようですが、相変わらず古めかしさを感じさせず、剣さんの才能が破竹の勢いでアップデートされていくのが聴いている側にも伝わってきて、まさに華麗な一枚になっています。昨年の「火星」は最初聴いた時あまりピンと来なかったけれど(ライブで聴いたら好きになった)、「華麗」は一発で心を掴まれ愛着が湧きました。まだ聴いていない方は、ぜひぜひ聴いていただきたいです!
CKBは年々アルバムの内容が良くなっていて、今年は特に耳なじみの良い曲が多い印象ですね。ライブで映える曲ばかりで、生で聴くのを楽しみにしていましたし、実際とても楽しかったです。なんとなく「ZERO」というアルバムと雰囲気が近いと感じていたんすけど、案の定、ライブ一発目の曲が「零」だったので、コンセプトも近かったのかなーと勝手に想像してました。個人的には「Hi」や「クラブ国際」、「くらげ」のようなゆったりした曲も好きですが、特に「太陽の街」がよかったすね。昨年はバンマスの廣石さんが亡くなってしまったので、昔の思い出をなぞるような歌詞が散りばめられていて、ライブで聴いた時は思わず泣いてしまいました。明るい曲調なのに間奏がすごく悲しいんすよね。
去年は感じなかったんですけど、なんというか…ひと時代の終わりに立ち会っている感覚が今すごくあって。剣さんが曲で表現している昔の本牧や横浜の雰囲気って、ノスタルジーどころか現実から消えつつある もしくは 消えてしまったものだと思うんすよね。その濁流のような時代の流れに誰もが押し流されていく中で、ふと振り返った時に道路脇に綺麗な花が咲いていたことに気づくような、そういう瞬間を剣さんは歌っていたのかなと思いました。「忘れちゃいやだよ 煌めいてた僕ら 黒い円盤にソウルを刻んで」なんて、これはまさしく剣さんと廣石さん(+恐らくのっさん)の思い出であって、けれど「100年経ったらあなたもあたしももうここにはいない」ことを嘆いている。そういう虚脱感を覚えるフレーズがあって、もの悲しさを感じます。
そういうのも全部ひっくるめて、福生はやはりスタートに相応しい場所なのではないかと思いました。横田基地があって、未だに至る所で異文化が入り混じっている不思議な空気を感じられるし、リトル・トーキョーよりも「人間の日常」がフュージョンしている感じがします。例えば、帰りに寄った二コラというピザ屋でウェイティングリストに名前を書こうとしたら、 サトウ→Johnson→クロカワ の順番(偽名にしてます)で苗字が書かれていて衝撃を受けたし、目の前でパスタやサラダをシェアしてた二人組の兄ちゃん達も、ひとりが「LA」、もう一人が「NY」と刺繡されたキャップを被っていて(東京と大阪みたいなもんやん)、そういう福生だから見られる光景がたくさんあって面白いんすよね。昔の本牧は何となくこれに近い雰囲気だったんじゃなかろうかと思うし、ライブの後に福生の街でライブの余韻に浸れたのがとても嬉しかったです(ライブで「LADY MUSTANG」もやってくれたしね!)。
がーちゃんもツアーの途中から復帰するみたいなので(剣さん曰く「加齢」によるものらしいが…笑)、最後の小田原公演も行こうかなと考え中。このままの勢いでツアーを完走してほしいっすね~~!